19日の総務財政委員会で、公共料金等の滞納者からの資産差し押さえ問題について、行財政局長に質しました。
市・県民税、国保料、保育料、市営住宅の家賃、災害援護資金貸し付け金など神戸市は、支払いや返済に苦慮し、なんらかの事情で滞納を余儀なくされている人達からの「債権回収」を全庁をあげて強化し、預貯金や年金などの差し押さえを強引に行っています。
2013(平成25)年度末未収金総額の残高は、約329億7300万円。
これは、対2007(平成19)年度比121億円を圧縮させています。
もちろん滞納は決して良いことではありません。
失業や病気などで急激に家計が苦しくなったケースが多いと思います。
神戸市は「債権回収」の目標値を勝手に定めて、それぞれの部局からマニュアルにもとづいて支払い督促、差し押さえを強行しているのです。
「徴収率の政令市比較が可能な債権については、政令市の中での順位を向上させるよう、徴収率の目標を設定(下位のものは中位へ、中位のものは上位へ)」としています。
「滞納者への対応は丁寧におこなっています」などと答弁しますが─。
◇ ◇ ◇
ある日私は、垂水区で85歳を過ぎた独り暮らしの男性から相談を受けました。
生活保護を一時受けていましたが、なんとか年金生活で自活できるように努力していました。
しかし、病気を患って、市・県民税を滞納してしまったことが原因で、支払い督促のはがきが何度も届き、とうとう年金収入の一部を差し押さえられてしまいました。
「病院にも行けない」と言います。
しかも市・県民税が課税されない生活保護受給期間中の分まで、税徴収の督促を受け、「滞納」としてカウントされていました。
私から市役所の担当に問い合わせると、「本来、生活保護期間は徴税されません。自主申告していただければ滞納分の返済総額を調整できます」と…どこが”丁寧な対応”でしょう!
しかも相談窓口は三ノ宮です。どうしていいか分からず、過分に返済している方が市内にたくさんおられるのではないでしょうか!!
□ □ □
これから議会で決算審査がおこなわれますが、一般会計の実質収支は3ヵ年続けて約20億円の黒字です。
神戸市は 「行財政改革」の成果を強調しますが、その影で苦しめられている人達がたくさんいるのです。