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生活保護の相談を受けて感じてきたこと

  生活保護制度は、憲法25条に基づき、すべての国民に健康で文化的な最限度の生活を保障する目的でつくられた社会保障制度です。生活相談所は、生活に困り果て、わらをもすがるような気持ちで、訪ねて来られる方々を親身に支援し続けています。働きたくても働けない若い世代の人たちからは、「あなた、若いのだから働けるでしょ」「病気の人しか生活保護は受けられませんよ」などと、福祉事務所から言われて相談に来られるケースがよくあります。私は、相談者の事情をなるべく詳しくお聞きした上で、十分に時間を取ってから一緒に福祉事務所に付き添うようにしています。生活保護制度は、資力調査や就職活動をしていることを証明するなど、手続きが必要ですが、生きていくために必要な所得を得ることができず、生活に困ったときには、だれでも無差別・平等に受ける権利があります。相談者の人たちは、「何も好きこのんで、生活保護を申請しようとしているのではありません。まだ若いのだから、働いて自立したいと思っています」と、私に思いを語ってくれます。決して、「楽」をしようと考えているわけではありません。ホームレスになる不安と恐怖から免れ、だれもが余裕を持って求職活動をおこない、自分に合ったライフスタイルを見出すことができる社会にしていくことを、国も自治体も真剣にすすめていかなければならないのではないでしょうか。