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貴重な戦争体験を聞く

生活相談所は高齢者が気軽に休憩しに来られる憩いの場でもあります。87歳のSさんは週に3~4回来所し、「うちらの戦争体験を聞いてくれるのは、ここの人たちだけや」と散歩の途中に立ち寄り、なかなか聴くことのできない沖縄戦の体験談を語ってくださいます。細身で長身、姿勢よく椅子に腰掛け、「軍隊というものは本当に厳しいんだよ。みんな本音では戦争には反対だった。でもそんなことは絶対に言えなかった…」と、切々と語るSさん。金沢の第九師団に入営し、軍旗の護衛兵の任務に就き、1944年10月10日の那覇大空襲を体験しました。「私はたまたま墓の下に隠れたから助かった。外にいた人は全滅やった」迫力ある証言です。「戦争は生身の人間が行くんだ。病気の人は捨て去られ、その日のうちに死者を焼いてしまう。そのとき、人間は国家の消耗品かと思った」。