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被災地に足を運ぶ⑤

写真は、鮫川の河口付近です。鮎が泳ぐそうで一見、透き通ったきれいな川にしか見えません。ところが、上流より放射能が検出され、今では近づくことさえできません。本当に残念です。「よごさない 川はみんなの宝物」─写真左の立て札を誰に向けるべきでしょうか?いわき市は県内でも放射能の検出量が比較的少ない地域ですが、私たちが避難所や各家庭を訪問すると、必ず放射能のことが話題になります。「夏になると風向きが変わるのでこちらに放射能が来るのではないかと考えると、とても不安です」「4月11日の直下型地震で屋根が壊れ、一部屋が水浸しになりました。放射能が怖いので、家具を全部片付けました。この部屋には入らないようにしています」不安を隠しきれない様子でした。楢葉町から、緊急避難してきた若いお母さんからは、「子どもが小学校でいじめられました。でも、家のローンを払わなければいけないし。東電に払ってもらいたい!もう、家には戻りたくない!」とも言われました。また、別の親御さんからは、「学校のグラウンドが使用できなくなり、野球部員の息子は練習ができないんです」と。原発事故は人の心を傷つけています。福島は自然に恵まれた美しいところと、誇りに思っていた住民のみなさんから、「これからの福島はどうなるんだろう…」「最高に美しい県から最低の県になってしまった!悔しい」と言われたとき、私たちは何一つ返す言葉をもてませんでした。

植田町根小屋地区にて。地震のときに、写真正面の火力発電所も、異様な”爆発音”がしたとのことです。