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性同一性障害(GID)と向き合って生きている人と出遭う

 先週、垂水区日本共産党生活相談所に、私と同世代のPさんが訪ねてきました。

長年の間、性同一性障害(GID)で悩み続けたこられたようでした。

 先日、厚生労働省はGIDと診断された人が、戸籍と異なる希望の性別を国民健康保険証に表記することを希望しても、「戸籍以外の性別表記は認めない」旨、各自治体に通知してきました。

「裏面に戸籍と異なる性別を記載しても医療機関が気付かない」ことが理由のようです。

Pさんは、女性として暮らしていきたいと願っており、ホルモン治療も受け続けています。

現在の保険証には「男」と標記。

 今日、私はPさんと神戸市保健福祉局国民年金医療課へ、希望通りの性別表記を求めにいきました。

担当係長は、「国保証の表面の性別欄を空白にし、裏面に戸籍上の性別を記載することにします」と回答。

しかし、「男」と記載しなければそれでいいというものではありません。

Pさんは「医療機関に掛かれば、必ず性別を訊かれるだろうし、医療に掛かりづらくなるのです。…私のような者は世間では少数派です。これは人権にかかわる問題だと思うんです」と切々と訴えました。

性別欄が”空白”ならば、男でも女でもないことになる。じゃあいったい何なのか…。

GIDの方は、全国に少なくとも7000人以上はおられるとのことです。

私が、「市内にGIDの方は市内にどれくらいいるのですか?」と訊ねると、驚いたことに係長は、「神戸市としてはPさんのようなケースは初めてで、市内に何人いるのかまで把握していません。相談にも御越しにならないですし…」。

相談できずに悩んでらっしゃる方が、市内にはたくさんおられるのではないかと思います。

就職も不利です。

未成年の子どもがいるPさんの場合、戸籍上の変更も認められません。

結局、要望は認められず、「兵庫県を通じて、Pさんの願いを厚労省にお伝えします」との回答にとどまりました。

 日本共産党は、「一人ひとりの人間の性的志向や性自認(心の性)は、実に多種多様」と考え、「性別や性自認、性的指向を理由とした、就労や住宅入居などのあらゆる差別をなくし、生き方の多様性を認め合える社会」をつくります。

そして、「未成年の子どもがいても性別の変更が可能となるよう、「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」第3条の改正を要求してきました(2010年参議院選挙公約)。

私はPさんに出会うまで、GIDについて全く無知でしたが、社会を見る視野が少し広がり、大切な宿題が一つ増えたと感じています。

とにもかくにも市内には同じ苦しみを持って暮らしている方がもっとおられるはずです!