「『9条は幣原首相が提案』マッカーサー、書簡に明記『押し付け憲法』否定の新史料」─東京新聞が掲載しました。
憲法9条日本側の提案で創設されたことを裏付ける決定的な資料を、堀尾輝久先生が発見した記事です。
堀尾先生は何度も「しんぶん赤旗」のインタビューに応え、私自身も先生の著書から勉強させていただいてます。
「教育を拓く」(青木書店・2005年)「堀尾輝久対談集 自由な人間主体を求めて」(本の泉社・2014年)…いろいろな著書や講演などで主張されてきたことは存じ上げていました。
これで、いわゆる押し付け憲法でも何でもないことを裏付けるもので、嬉しく、励まされる次第です。
同時に、こうも指摘されています。
「では、なぜ幣原は9条的なアイディアを出したのか。そこには歴史のおもしろさというか、歴史のアイロニーとでもいうような経緯が背景にあるわけで、それは幣原喜重郎という人が徹底的な平和主義者であったからという単純なものではないのです。…それまで平和主義者だったから9条を提起したというよりも、戦争にたいしては批判的であった彼が、これから起こるであろう戦争にたいして大きな危惧の念をもっていた。核爆弾を見舞われた日本として、彼がそのことを強烈に意識していたことは間違いありません。もう一つは、幣原氏が熱烈な天皇崇拝者であったという事実です。…幣原がなぜ9条的なアイディアを出したか、その背景には、とにかく天皇制を守ろうという意図があった、ということです。権力的な天皇制を擁護するのではなくて、日本の伝統、そのなかにある精神的な権威としての天皇、象徴天皇制を何とか守ろうとする意図があったということは、はっきりしているわけです。」(「日本の教育」東京大学出版会・1994年)。
終戦当時の現職総理大臣ですから、決して革新的な立場ではなく、体制を守る立場。
そういう立場の政治家からの発案だったのです。