「安倍政権に欠けているのは、歴代内閣が営々と積み重ねてきた施政に対する謙虚さであり、さらに言えば、憲法そのものへの敬意ではないか。」─今日は憲法記念日。
今日の朝日新聞が一面トップに掲載した社説が心に残りました。
「国民主権、人権尊重、平和主義という現憲法の基本原理が役割を果たしたからこそ、日本は平和と繁栄を達成できた。ともかくも自由な社会を築いてきた。その歴史に対する自負を失うべきではない。」
立憲政治を破壊する安部政権の暴走ぶりへの警鐘は至るところで聴こえてきます。
「朝日」は日本国憲法起草のもとになったGHQ(連合国軍総司令部)草案の受け入れをめぐり、当時の幣原喜重郎首相が昭和天皇と面談した際の内容を示すメモを明らかにしています。
憲法学者・宮沢俊義東大教授が当時、二人のやりとりを記録したもの。
「それから、陛下にお示しして、憲法草案(先方から示されたもの)を目にするわけだ。すると陛下は『これでいいじゃないか』と仰せられた。自らはその一言で、安心して、これで行くことに腹をきめた。」
幣原総理の心情もわかるメモが写真で掲載されています(原文は続け字であり、私なりの解読なので、多少の誤読があるかもわかりませんが)。
幣原首相は、ヒロシマ・ナガサキという事実を前にして、戦争をしてはいけないことを主張しましたが、べつに民主勢力の側に立つ政治家ではなく、むしろ、天皇制を守ることを強く主張した人でした。
天皇制を守るためにはそれ以外に道はないという判断があったと(「日本の教育」堀尾輝久著・東京大学出版会)。
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昨年の「しんぶん赤旗」に、戦争放棄をうたった憲法9条のアイデアは、幣原首相がGHQ最高司令官のダグラス・マッカーサーに提案したを補強する新たな資料を、堀尾輝久先生が発見した記事を掲載しました(2016年8月19日付)。
″戦争をしない″ ″軍隊を持たない″ 現憲法は国民の宝。
そして、決して外国から押しつけられたものではないということが益々、鮮明になってきたのではないかと、嬉しくなります。
直近の世論調査で、「いまの憲法を変える必要はない」「戦後9条が果たしてきた役割は国民に浸透している」が多数をしめ、国民が憲法9条の歴史的役割を高く評価している実態が浮き彫りになっています。
歴史の反動的巻き返しを図る政治勢力に未来はない。
政治の流れは国民の側にあり!