「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子どもをつくらない、つまり『生産性』がない」
───自民党の杉田水脈衆議院議員がLGBT(性的少数者)のカップルに関し、「新潮45」という雑誌に寄稿。
自民党本部前に、約5000人の人たちが集まった抗議行動が報じられました。
抗議行動に参加している人たちがどんな思いで、声を上げているのか、YouTubeを視聴していても、深く傷をつけられた、心の底からの怒りが伝わってきました。
デモに参加したことがなかった人も訴えていました。
自分がLGBTであることをカミングアウトすることさえ、とても勇気のいることです。
多様性を認め合う社会に変わらなければ、居場所を失う人たちです。
小池晃書記局長は23日の国会内での記者会見で、
「『生産性がない』という言い方は、個人の尊厳を根本から否定する妄言で、議員の資質にかかわる重大な発言だ」
「無知、無理解、悪意に満ちた偏見で、悪質な発言だ。発言を撤回し謝罪しないのであれば、辞職するべきだ」と述べました。
昨年の衆院選以前から同じ発言をしてきたこの人物。
本心から反省するとは、私には到底思えませんが。
集会に参加した人たちは、「LGBTの人たちだけが傷つけられたのではない」とも語っていました。
経済的な理由、晩婚等で子どもを産み育てたくてもできなかった人、子どもの時や青年時代の辛い体験などによって、心や体が深く傷つき、結婚も社会参加も出来ず、子どもを産み育てることができない人生と向き合い、歩んでいっている人たちの人格を否定する発言でもあると思います。
子どもを産むか産まないかで人間の価値を選別するこの人物の人間観。
「個人の問題だけでなく、杉田氏を比例で国会議員にした自民党の責任が問われる」と小池書記局長はさらに強調します。
党として同議員に責任を取って辞職するよう求めるのが筋ではないでしょうか。
「国会議員の発言一つひとつに、政府の立場で発言することは控えたい」(菅官房長官)
「人それぞれ、いろんな人生観もあり、別に大きな驚きを持っているわけではない」(二階幹事長)
幹部が庇うのか。
日本政府は2008年6月に、性的志向と性自認に基づく差別を撤廃する措置を求める国連人権理事会勧告を受け入れています。
自民党がこの発言を放置すれば、基本的人権やLGBTについて語る資格のない政党だということになります。